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子育て迷宮日記 子育ては迷うもの。レベルアップに向けて修行なう。

ヒラリーさん

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12歳と7歳の息子を育てています。時短勤務のワーキングマザーです。全力で迷走するリアルな胸のうちをつづります。ちなみに魔女ではありません。

2024年7月23日

埋伏歯(まいふくし)の口腔外科手術をする~迷宮レベル86~

長男は受け口だったので、歯列矯正で治療をしました。その後、歯が全部大人の歯に生え変わったタイミングで第二期の矯正をはじめる予定でした。

しかし、第一期の矯正終了から2年経ったある日、定期的に通っていた歯科で歯茎の中に埋まっている埋伏歯(まいふくし)の口腔外科手術をそろそろはじめないといけないと言われました。まだ大人の歯に全部生え変わっていません。

それは話が違うのでは?いずれ痛い思いをしないといけないのであれば回数は少なく一回で終わらせたいと思い、第二期の歯列矯正のタイミングで一緒にやってほしいとお願いしました。すると、歯茎の中で埋まっていた犬歯がだんだんと横の歯の根元にあたってきだしたので、このままいくとくっついてしまうと言われました。

このままではくっつくか抜けてしまう⁈

レントゲンを撮ったり、立体的なCT画像を見て説明されると、確かに素人が見てもあまり時間的猶予はなさそうな気がしました。隣でニコニコしている長男の顔をみると、なんとも言えない気持ちになりました。また痛くて泣くのだろうな、できるなら代わってあげたい...。深いため息のあと、決心しました。そして、長男は口腔外科手術で埋伏歯の開窓、牽引をすることになりました。

これが口の中に入る矯正器具です

簡単に言うと、歯が埋まっている歯茎を切って開いて、中の歯にボタンのような突起した器具を取り付け、歯茎を縫って、歯茎から出ているボタンにゴムをひっかけ奥歯のワイヤーの装置で牽引してひっぱり位置を徐々に変えていくというものです。

もう、聞くだけで痛い‼

実は私も犬歯が埋まっていたので、この口腔外科手術をしたことがあります。どれだけ痛いかというと、麻酔が切れてからズクンズクンと脈打つ痛みと、口がうまく閉まらずヨダレがでるのでタオルを敷いて寝たら、翌日タオルが血で真っ赤になっていたというトラウマ級の記憶があります。歯茎を縫った糸が黒色なので、姉からしばらく「フランケン」と呼ばれました。きょうだいは容赦ないね!

自分の手術のときは、研修医などその手術を見学する大人たちが十数人ほど私のまわりを囲んで、上から口の中をのぞいている姿がすごく恐怖でした。おそらく息子も同じように大人たちに取り囲まれるようになるだろうと思い、怖かったら目をつぶるように先にアドバイス。泣きわめきはしませんが、いやだいやだと念仏のようにつぶやく長男を不憫に思いました。

手術が終わり、息子の元に行き、どうなったのか口の中をみせてもらうと、血の塊なのか、歯茎を縫った糸が黒色だからか真っ暗で良く見えませんでした。もっとひっぱってみてみたかったのですが、上唇の中側と歯茎を糸で縫っているので、抜糸まであまり上唇をめくれませんと言われました。もう、聞くだけで痛い! ! !

手術直後の口の中。目をこらしてもよくわからない闇に見える。

術後の説明では当日よりも2~3日後の方が、顔が腫れるようです。処方できる最大数の痛み止めをもらうことにしました。当日はなんとなく腫れているなと思った顔面ですが、2日後には人相が変わるほど腫れあがってしまいました。まるで殴られたボクサーのように片目があまり開かないほどです。それでも息子は、片目でゲームをしていましたが...。4日後には腫れがマシになり、5日後には元の顔に戻りました。

そこから毎月矯正歯科に通い経過をみました。1年3カ月が経った頃、もうだいぶ歯が下に降りてきていました。あと少しのところで歯茎を突き破れないでいるので、歯茎に少し切れ目をいれるとすぐに出てきますと言われました。

息子の歯茎を見ると、ここに歯があるのだろうなという形がわかるくらいの位置にありました。少し切れ目をいれるだけでも、やっぱり痛いだろうな...。

その処置は1時間ほどで済みました。待合室まで私を呼びに来た長男は、ひどく沈んだ表情で無言です。説明を受けると、切れ目をちょっと入れるというのではなく、歯茎を切ってボタンの位置を付け直していると言われました。「これから血がたくさん出ますか?」と尋ねると、「電気ゴテのような器具で歯茎を焼いて穴をあけたという感じなので、血はあまり出ないです。穴が大きめなので、毎日消毒のうがいをしてください」と説明されました。

「え?聞いていた話と違う‼」長男と目が合いました。だからその表情だったのね...。

もう後の祭り感が漂い、何も言葉が思いつきませんでした。もう痛いのは終わったからと長男を慰めましたが、30分ほど何を話しかけても無言のままでした。その日も痛み止めをたくさんもらいましたが、結局1日飲んだだけで痛みは乗り越えたようです。

長男のこの話を、77歳になる母親に聞いてもらうと、「お母さんも今度口腔外科手術せなあかんって言われたねん!いやや~」と言っていました。犬歯が埋まって生えてこないというのは似てほしくない遺伝のようです。なんでその年になって手術なのかと尋ねたら、犬歯が歯茎の中に埋まったまま生えてきていないことは知っていたけど、矯正をせずにそのままにしていたら、年を取ってから歯が抜けてしまって、今度は埋まっている歯が細菌感染をしたのかうずきだし、結局取り出すことになったと言います。

痛い思いをした矯正でしたが、いずれ手術をして取り出す可能性がある歯であれば、早めに矯正をしてその歯をちゃんと使えるようにしたことは間違いではなかったのだろうな...という結論に達しました。

歯の生え変わりのスピードも遅く、なんだかず~っと歯列矯正をしているような長男ですが、今回の埋伏歯の矯正期間は最終的に1年4カ月かかりました。口腔内の器具がなくなり自分の舌で歯を確かめたあと、「なんだか変な気分だな」とはにかんでいます。

1年3か月後の歯。やっと先端が見えてきた!

次は、大人の歯に全部生え変わったタイミングで、きれいな歯並びのための歯列矯正がまだ残っていると思うと不憫ですが、とりあえずそのときまではあまり話題に出さず忘れてもらおうと思うのが親心でしょうか。ガンバレ、長男!ニコニコ笑顔を絶やさずに。

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