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子育て迷宮日記 子育ては迷うもの。レベルアップに向けて修行なう。

ヒラリーさん

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10歳と6歳の息子を育てています。時短勤務のワーキングマザーです。全力で迷走するリアルな胸のうちをつづります。ちなみに魔女ではありません。

2023年7月 4日

跳び箱から落ちて骨折をする ~迷宮レベル76~

仕事が終わった直後、次男の通う保育園から電話がありました。保育園からの着信画面を見ると、心臓がギュッとします。熱でも出たかな?そう思いながら電話を受けました。すると、自分の身長より高い段の跳び箱を跳ぶのに失敗し、背中から落ちたという内容でした。

すぐに迎えに行くことを伝え、急いで保育園へ向かいました。右手を使わず左手だけで荷物を持つ次男。先生に状況を尋ねると、跳び箱に手をついた後お尻が乗り切らずそのまま後ろに落ちて背中を踏切板で打ったという内容でした。どこが痛いか次男に尋ねたら「右手首が痛い」と言います。

保育園から病院へ連れて行ってもらえなかったようで、すぐにネット検索で空いている病院を探しました。背中を打ったので脊髄への影響も心配です。背中と手のレントゲン撮影をしてもらったところ、背中は問題なく右手首を骨折していることが判明。「若木骨折」という診断が下りました。
みずみずしい木を折った時にポッキリ折れるのではなくて、ぐしゃっと曲がるようなイメージ です。
子どもが手を骨折している時は、手を使わないという話を聞き「たしかに!」と迎えに行った時の光景を思い出しました。

赤い丸のところが骨折箇所。通常はなめらかな骨のカーブらしい

右手にギプスが巻かれ、腕は三角巾で吊るされました。診察室から出てくると、看護師さん3名に囲まれあーだこーだとギプスのチェックが始まりました。「ここ、当たってるから痛くない?」と息子に尋ねています。お医者さんの前で言わず、外でチェックするって大丈夫なのかな...。看護師さんに明日また来られるか尋ねられました。ギプスの巻き方に問題があるなら、今この時点で巻きなおしてほしいとお願いすると3人でコソコソ話した後に却下されました。翌日にギプスチェックは必要だと言います。来たときは気づかなかったけど、病院の診察時間内なのに他の患者が一人もいない状況に違和感を覚え一気に不安になりました。5歳で行きつけの整形外科なんてありません。もしかして病院選びを失敗したかしら?

とりあえず、これから痛みが出てくるということで痛み止めが処方されました。初めての錠剤でした。うまく飲めるのかな...。

家に帰ると、だんだん痛みが増してきたようでその晩は大泣きでした。寝返りする度にギプスの腕が身体の下に入って痛いのもあるようです。もしかして変な巻き方で骨が違うところに固定されている?とネガティブな思考になり不安もありましたが、初めての錠剤は思いのほか上手に飲むことができ数時間後に寝ることができました。

利き手の骨折なので食事や着替え、トイレにもひとりで行けません。骨折したのは4月の中頃だったのでまだ日によって肌寒い時もあり長袖Tシャツを着ていましたが、ギプスで全く服が入りません。そこでお兄ちゃんの半袖Tシャツを着ることにしました。大きめなのでいけるかな?と思いましたが寒いというので、長袖の肌着の右手部分をギプスの長さに合わせて切りました。袖口を切ると意外と大きく広がり、ギプスでも楽に着ることができました。

食事もひとりでできないのに、保育園に行って大丈夫なのかとても心配でした。家では左手スプーンも難しいと不機嫌でしたが、保育園ではスプーンを使ったり手づかみでも食べていたと聞き意外とたくましいのだなと感心しました。家では甘えていたのかな?

トイレは保育士の先生に毎回付き添ってもらっているようです。走ったり運動することを制限されていたので、ずっと座っていたと言います。片手でできることって何かあるかな?

翌日、保育士の先生にパズルや絵本、片手でできる範囲のブロックなどを与えてずっと座っているだけということがないようにお願いしました。小さいクラスからブロックを借りてきてもらえ、その日から左手で何でもしはじめたようです。それから、右手のギプスから出ている指先も使ってどんどん器用に身の回りのことをひとりでできるようになりました。食事も右利きだったということを忘れているかのように、問題なく食べられています。思ったより柔軟に慣れていっているようです。

ギプスを濡らすととてもかゆくなると聞き、汗をかいてもかゆくなるしお風呂に入る時も水に濡れないよう細心の注意をはらう必要がありました。ネットショッピングで防水のギプスカバーを購入し、それが届くまでは体を拭いて済ませました。

病院の診察は、翌日のギプスチェックから他のクリニックに変えました。そこでも若木骨折という診断でした。跳び箱に手をついた瞬間、手首に圧力がかかって折れたのではないかということでした。翌日にギプスチェックというのは、きつく巻き過ぎたときなど指先の色が変わったりすることもあるのでチェックが必要だと説明を受けました。そういう説明なら納得できます。それから週1回レントゲンを撮りに行きました。

2週間後のレントゲンで、薄っすら仮骨(かこつ)という骨ができているのが見えました。その仮骨がもっと白く濃くレントゲンに写るようになれば頑丈な骨ができたということになるようです。右手首と腕をぐるっと取り囲むフルギプスでしたが、2週間目に手の甲側の半分のギプスに変更になりました。

どうやってギプスが半分になるかというと、電気ノコギリのような見た目の器具でギュイーンとギプスをはめた腕の上から切るのです。次男は状況が全然わからず大人しくしていましたが、私はその光景が恐ろしくてたまりませんでした。お医者さんは、自分の腕にその器具を当てて、「腕は切れないから大丈夫!」と笑顔です。久しぶりにギプスがとれると、次男の腕には黒い垢がついていたり、ところどころ皮がめくれて白くなっていました。そして臭いもキョーレツでした(笑)

これからはお風呂のときだけギプスを外して腕を洗ってもいいと言われました。それから毎日手を洗っていると、ふやけた皮のめくれが治まりました。新陳代謝みたいなものだったのかしら。毎日外してもいいということは、私が家で包帯を巻かなければなりません。初めはもたつきましたが、これもだんだんと慣れていきました。このころには息子はひとりでトイレにいけるようになり、片手でスボンを下ろしたり、お尻も拭けるようになっていました。順応性が高い!

左手で文字も書くようになり、保育園の制作も参加していたようです。右利き用のはさみでも左手でチョキチョキ紙を切っていました。刃が反対じゃないのかしら?不思議。

骨折から3週間後、次男のギプスは取れました。痛々しい三角巾で腕を吊るされた姿もようやく終わりです。ギプスが取れても、1週間ほど運動はしてはいけないという指示を受けました。家の短い廊下でも走るのに、まあ無理でしょう‼

しばらく公園の遊具でも遊べていなかったので、シロツメクサを摘んで花輪を作ったり虫取りをしたりして休日は息子と外で遊んで過ごしました。

シロツメクサをたくさん摘みました。

骨折から4週間後、運動全般の許可がおりました。そして、また3週間後にレントゲンを撮り最終的なチェックをして治療が完全に終了になりました。全治7週間‼

長かった。思い返せば夕方の通院も、忙しい時間帯の使える時間が減ってやりくりが大変だった。

しっかり骨ができています。これで安心。

この7週間の間に、習い事のスイミングやサッカースクールに通えなかったことがとても悔やまれます。振替のない月謝制の習い事では1回でも通えば支払いが発生してしまうのです。乳児医療を使うのか、スポーツ共済の保険を使うのかという金銭的なことも何も知らない中で調べることも、地味に面倒で大変でした。

ギプスが取れてからもときどき左手でご飯を食べている息子を見て、あんまり意識していないのだな...と思いました。これで両利きになったりするのかな。しばらくして、保育園のお迎えに行くと、三角巾姿の骨折したお友達を見ました。

大変な7週間が走馬灯のようによみがえり、そっと声を掛けました。「ガンバレ...」

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