特集

子育て迷宮日記 子育ては迷うもの。レベルアップに向けて修行なう。

ヒラリーさん

この記事を書いた人

ヒラリーさん webデザイナー

12歳と7歳の息子を育てています。時短勤務のワーキングマザーです。全力で迷走するリアルな胸のうちをつづります。ちなみに魔女ではありません。

2017年10月26日

入院生活と産褥(さんじょく)期 ~迷宮レベル20~

緊急帝王切開で出産後、7日間入院することになりました。
入院生活の3日間は全く部屋からでられません。

手術をした晩、自分で寝返りできないことがこんなに痛くてつらいことだったんだと知りました。30分に1回は寝返りをしたい!体勢を変えないと背中に激痛が走ります。
とりあえず寝ながら手の届く範囲にある布団を丸め、背中に滑り込ませベッドから浮くようにしました。自分が介護をするようになった時、寝返りできないつらさをよく覚えておこうと痛みとともに心に刻みました。

翌日からはトイレに自分で行くよう促されますが、腹部の傷跡が痛くて、起き上がることすら大仕事です。しばらく天井を眺め精神統一をしてから、「うぉ~~~!」と気合で手の届く範囲にあるカーテンや机やいろんなものにしがみつきながら、やっとベッドの上に座ることができるくらいです。そして、通常なら3~4歩もあればたどり着く室内のトイレまで、傷跡をかばいながら痛みに耐え、のそりのそりと腰を曲げながら歩く姿はまさに原始人。
腰をまっすぐに伸ばすと、傷口がパリンと割れそうで恐ろしくてできません。トイレに行くだけで、もう汗だくです。横になるときも意外と腹筋を使うので、「ぎぃやーーー!」と悲鳴を上げながら再びベッドに戻ります。
とにかく腹筋を使いたくないので、咳をしたりくしゃみがでないよう細心の注意を払います。もちろん、お笑い番組なんてみません。笑いながら、痛みで泣くという忙しいことになるからです。

出産後はいろんな人に「大丈夫?」と尋ねられます。
若いうちは、「大丈夫?」と聞かれると反射的に「大丈夫。」と答えていました。しかし、年齢とともに「大丈夫じゃない!」と正直に返答できるようになりましたが、それが相手を困惑させることもあったので、今回は「ぼちぼち。日にち薬よね。」と答えることにしました。

痛みはつらいですが、入院生活の楽しみの1つに食事があります。帝王切開は開腹手術なので、食事のはじめは全粥でした。そこから5分粥、3分粥と進むうちにおかずの品数も増えていきます。
思考のほとんどが"痛み"に支配されていましたが、食事の時間が近づいてくると今日は何のメニューだろう?とわくわくしました。小学生の時の給食のメニューをみている感じです。
入院生活は3食自分でご飯を作らなくていいし、品数も多いし、自分では到底しない丁寧な飾り切りをしてくれているし、お茶もほんのり甘みのある玉露で幸せ度はMAX!!!

<朝食>
pic_20_01.jpg

<ランチ>
pic_20_02.jpg pic_20_03.jpg

<コースランチ>
pic_20_04.jpg pic_20_05.jpg

<おやつ>
pic_20_06.jpg pic_20_07.jpg

<夕食>
pic_20_08.jpg pic_20_09.jpg

<祝い膳>
pic_20_10.jpg

入院4日目からは食堂で食事ができたので、同じ時期に入院をしているママさんたちとお話をしながら食事をしました。
そして、やっとこの日にシャワーが許可されました。自分の傷跡がどうなっているのか見られなかったので、恐る恐る確認しましたが、ガーゼが貼ってあったのでよくわかりませんでした。とにかく横にスパッと切られていることだけわかりました。

はじめての入院の時は、沐浴指導、授乳指導、調乳指導と教えてもらうことがたくさんであわただしく過ごしていましたが、2人目になるとすでに経験しているのでカットされます。
物忘れが増えてきたお年頃のわたしに、5年のブランクはさすがにきつく不安もあったので、初産婦さんに混ざって沐浴はこっそり見学しました。わたしと同様、すっかり記憶をなくしているであろうパパにも伝授しないといけません。

入院中、長男が毎日保育所帰りにおばあちゃんと産院に寄ってくれました。わたしの顔をみると「ママ~!!」とジャンプで飛びついてくるので「ひぃ~!」とのけぞりました。傷跡が開くかと思いヒヤリ。
息子は退院してからもちょくちょく「まだお腹は痛い?」と聞いてきましたが、それはわたしに抱きつきたいのでタイミングを見計らっていたからでした。息子なりに気遣って我慢していたのかと思うと不憫です。
思いっきり息子を抱きしめると、にゃは~と笑顔で照れています。兄弟ができたことで赤ちゃん返りにならないよう、これから「お兄ちゃんが一番!」でしばらくいくことにしました。

退院をする前に半抜糸がありますが、半分でも抜糸をすることでひきつりの痛みが薄くなり、ゆっくりですが赤ちゃんを抱っこして歩くこともできるようになりました。まだ腰は若干曲がっていましたが、7日の間に現代人まで進化していました。

産後1カ月は出産でボロボロになった身体が元に戻ろうと修復する期間(産褥期)です。
今回は、長男の保育所もあるので親を呼び寄せ、自宅で過ごすことにしました。帝王切開の傷跡はまだまだ痛みますが、陣痛で何時間も苦しまなかったので、長男の時よりはるかに体が動きます。なんなら家事だってすぐにできますよ~と調子に乗って、退院3日で料理もしました。
産後に無理をすると更年期がひどくなるとか、あとあとどこかに響いてくるようですが、今回は自宅ということもあって、洗濯物があればたたむし、床にほこりが落ちていればついつい掃除機をかけてしまいます。やっぱり自宅は自分のテリトリーな分、頼まずに自分で動いてしまいがち。
しかし、動いた翌日は決まって産後の悪露(おろ)による出血が増え、体力も奪われ、めまいでふらふらしていました。家事はまだちょっとつらいな~と思い、長くて10分までにしようとウルトラマンみたいにタイマー制にしました。いかに10分で効率よく動くか、頭の中でシミュレーションしてから、ドバっと一気に片づけてしまいます。
結局家事やってるやん!って思いながらも、10分だしな~とごまかしながらも、なんとか3週間過ごしました。

産後1カ月の検診で残りの抜糸が済み、やっと湯船につかれる許可がおりました。
お風呂に入るときに帝王切開の傷跡を見てみましたが、赤黒い17センチの横の線と9本の縦の線がびっちりついています。

母の勲章は、なんと長男の大好きな線路になっていました。

pic_20_11.png

この記事がおもしろかったらボタンを押してね!

おもしろかった 3559

これまでの子育て迷宮日記も見てみよう!

記事をもっとみる
ページの先頭へ戻る