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子育て迷宮日記 子育ては迷うもの。レベルアップに向けて修行なう。

2016年5月 2日

子鉄とママ鉄 ~迷宮レベル4~

★息子の夢ができた日

別の日、いつもよりたくさんの親子連れが新幹線のホームにいました。いつも閑散としているのに、ちょっとにぎわっています。私と同じような親子連れと、巨大な望遠カメラを抱えた、いわゆる撮り鉄たちが今か今かと待っています。そうです、見ると幸せになるという黄色い車体のドクターイエローが停車する日でした。

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電光掲示板は「回送」と表示されています。このドクターイエローは、電車のお医者さんと言われ、線路や架線の状態をチェックする点検車です。一般の人は乗ることができません。停車日は原則非公開ですが、駅員さんによっては教えてくれたり、またネットで予想しているサイトなどを見て集まっているようです。ドクターイエローが到着すると、「わぁ!」と大歓声!そこにいる大人も子どもも全員テンションが上がっているのがわかりました。

ドクターイエローに乗りたいという息子に、「電車のお医者さんにならないと乗れないんだよ。」と伝えたこの日から、息子は「大きくなったらドクターイエローの運転士さんになりたい」という夢を持つようになりました。電車の運転士から始めて、新幹線の運転士の試験を受け、何度も試験を受けた先のドクターイエローの運転士を目指すだなんて、こころざしハンパない!母はそんな息子の願いを、七夕の短冊にそっと書いておきました。

★鉄道雑誌の存在を知る

息子が風邪をひいたときに時々通う耳鼻科の先生が、どうも鉄道が大好きなようで病院の待合室に置いてある雑誌は鉄道一色です。息子にとってはパラダイスで、元気な時も用もないのに耳鼻科に行こうとします。
病院の待合室では、子供向けの鉄道雑誌を食い入るように見ています。わたしもそれを見て、鉄道の奥深さに興味が増してきました。見たことのない車体を見ると、どこで見られるのかチェックし、即スマホで検索。その情報をお気に入りに登録していくうちに、まるで自分の趣味が鉄道なんじゃないかと思うくらい鉄道情報で埋め尽くされました。
鉄道の雑誌にはいろんな種類の車両はもちろん、鉄道関連のイベントの紹介なども載っています。次第に週末の外出先も鉄道関連のところが増えてきました。

★車両基地の見学

色々と鉄道情報を収集していくうちに、春と秋にはイベントが増えるということを知りました。10月にある鉄道の日の前後などは、まさに子鉄っちゃんフィーバー!祭りです。
そこで、車両基地でイベントがあることを知り、参加も無料だったので散歩がてら出かけました。出店もあり予想以上の人混みです。ここではいろんな体験ができます。運転台に座ったり、運転士の帽子をかぶったり、実際にハンドルを持つこともできます。

いざ運転台に座ると、息子はあちこちあるスイッチを押したり、ハンドルを右左に動かしきゃは!っと震え、喜んでいました。運転台にはいくつかレバーがあり、実際これをどうやって動かすのだろうと思いました。運転士さんに尋ねると、いろいろ説明してくれましたが、一度聞いただけでは難しく全然耳に入ってきませんでした。車の運転すら苦手な私は、ただただ感心するしかありません。「あっ!」という間にかなりの距離を進む電車を運転するためには、一瞬の判断力も相当鍛えられているんだろうと、ガチャガチャハンドルを操作している息子を見ながら、将来を想像しました。

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車両基地では他にも、整備車両を側面下あたりから覗くことができたり、洗車体験もできました。
電車の洗車を車内からみるというはじめての体験に、息子も私も舞い上がり、ブラシが近づく瞬間「うぉ~!!!」と窓に張り付きブラシの回転と水しぶきを眺めました。動いている電車に乗れて、洗車までできるなんて、電車好きとしては二度おいしい感じでしょうか。
子どもがいなかった頃にはさっぱり興味もなく、どこが面白いんだろうと感じていたことが、子どもと一緒にいることでこんなにも変わるんだなぁと実感しました。

★ママ鉄ができるまで

よく子どもを連れて歩いていると、「何歳ですか?」と尋ねられます。「3歳です。」と答えると、「今が一番かわいい時期ですね。」と、言われます。もちろん生まれてからずっとかわいいですが(笑)、今が一番かわいい時期と言われると、正直焦ります。

ただでさえ仕事をしていて昼間は保育所に預けているのに、その一番かわいいといわれる時期を一緒に過ごす時間が少ない。子どもを保育所に預けるとき、正直なところ未だに後ろ髪をひかれすぎて禿げそうやな、と何度も思います。

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しかし、時の流れは止められない。傍にいる時間は限られてしまいますが、一緒に過ごす時間は、子どもの好きなことに一緒になって驚いたり笑いあったり、楽しく時間を共有したいと強く思っています。
子どもが18歳で大学に行き、下宿をするために家を出ると考えるとあと15年。そのあとも自分の生活は続いていくわけで、子どもにべったり依存してしまわないよう、自分の生活も楽しみたいとは考えています。
子どもの好きなこととわたしの興味あることが一緒ということは、今の私たちにはとてもラッキーなことで、少しでもそういう時間を作れるよう、わたしは鉄道イベントの情報をせっせと集めています。こうして徐々にママ鉄が完成されていきました。

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