この記事を書いた人
ナミさん
9歳と6歳の男の子のママです。子育てに奮闘するリアルな日常を綴ります。
2022年3月 2日
【第20回】まさかのアメリカへの転居!
昨年、次男が幼稚園へ入ったばかりの1学期、夫のアメリカへの転勤が決まる。行き先はマサチューセッツ州ボストン。8月には、夫が単身で渡米した。
私は9月にビザの面接を受け、10月に家の中のほとんどの荷物を船便で送る。その後、渡米前の健診、予防接種を終え、12月に子どもと一緒に夫の待つボストンへ!!
今回は、渡米前後のことを書きたいと思う。
まずは、8月に夫と離れ離れになってしまった子どもたちのことを。
空港での見送りの際、長男は涙をこらえて手を振り、次男はじいじに抱かれながら普通にバイバイをして、駐車場で「お父さんは?」と言った。夫は別れる数日前から子どもたちに事情を話していた。長男は完全に理解して飲み込んでいたのだと思う。
その後事態を理解した次男は、「お父さんに会いたい」「お父さんに抱っこして欲しい!」「お父さんと一緒に寝たい!」と泣くことが多かった。長男は、そういったことを一切言わなかった。
子どもたちの会話の中に「あめりか」という言葉が飛び交うようになった。時差が14時間なので、夫とは土曜か日曜の朝にテレビ電話をした。
2学期の修業式は引っ越しの日。二人ともクラスメイトたちからアルバムをもらい、先生と友だちにさよならをした。
私は、名残惜しんでいる暇もなく、航空便の荷物を送った後、家の片付けをした。2日間に分けて車で実家に残りの荷物を持って帰り、手荷物をスーツケース4つとボストンバッグにパンパンに詰めた。ボストンの家に荷物が届くのに船便は約3カ月、航空便は約1カ月かかると言われていたので、それまで過ごせる3人分の荷物を全て持っていかなければならなかった。
◎ついに渡米!
前日にPCR検査を受け、両家のじいじばあばが見守る中、空港のゲートをくぐった。アメリカへ行くという不安や期待より、息子たちを連れて一人で長距離移動を乗り切れるかという不安の方が強かった。
夫が帰国する予定だったがコロナによる隔離期間を考えるとそこまで休みが取れず、3人で渡米することになったのだ。
成田空港での出国手続き中のこと。何度言い聞かせても、興奮した次男が少しもじっとしておらず、つかまえてもすぐにすり抜けて走り回る。私が質問に答えている間に次男の姿が消える!なんとファーストクラスエリアの高級であろうソファを足蹴りに!!(((;ꏿ_ꏿ;)))
「やめてー!!!」と急いでつかまえて「すみません、すみません」と次男を引き戻す。長男はカウンター近くでじっと立っていた。彼は本当に成長した(TT)
第一関門を抜け、ラウンジでジュースを出されて子どもたちは大喜び。暴れ出す前に出ようとさっさと席を後にした。
ファミリーサポートを申し込んでいたので、係のスタッフがラウンジの入り口に来てくれた。搭乗口まで迷わずに行けてとってもありがたかった!
そしていよいよ飛行機へ。次男は離陸前にぐっすり。とりあえず寝かせておいて、私もほっと一息。やがて晩ごはんの時間に。
次男には、長時間のフライトに備えて念の為オムツをさせていた。オムツをチェックする時に少し動かしたのがきっかけで起きてしまった。おしっこは出ていなかったが、グズグズが始まってほとんど食べなかった。まあそこは想定の範囲内。
その横で長男はパクパク食べていた。
その後、子どもたちは席のテレビで動画を楽しむ。長男は操作を覚えて勝手に楽しんでいたが、次男はヘッドホンを押さえろだの、チャンネルを替えろだのと手がかかる。まあでも機嫌良く過ごしてくれるならそれで良かった。
就寝時間になり、二人を交互に歯磨きに連れていき、トイレも済ませる。次男は全然おしっこが出なかった。それからもトイレへ連れていくが出ない。
そのうちに「チ○チ○が痛い〜!!」と泣き出してしまった。よく見ると先っぽが赤くなっていた。オムツでムレたのかな?と思い、ティッシュを濡らして拭いてやるが、どんどん泣き方が激しくなってくる。
周りはもう就寝モード。機内も暗くなっている。長男はいつの間にか寝ていた。
まずい!何とかしなければ!
普段こんなことはないので薬などは持ちこんでいない。対処法が見つからない。
次男はますますヒートアップして激しく泣きわめいている。痛みが治まらないらしく全く泣き止む気配がない。数十分間泣き続けて、フライトは残り9時間。
万事休す!と思った時、何席か前の赤ちゃんを連れていた方から声をかけられる。理由を話すと、「かわいそうに。赤ちゃん用ですが使ってください」とチューブの塗り薬をくれた。
言葉では言い表せないほどの感謝の気持ちがあふれた。これぞまさしく天の恵み!!(TT)
「ありがとうございます!!ありがとうございます!!」としか言えないことが申し訳ないほど本当にありがたかった。
早速その薬を塗りにトイレへ。
便座の前に立たせてズボンとオムツをずらして薬を塗り始めると、シャッと何かが手にかかる。「おわわわっ」と急いでオムツを上げる。おしっこが出たのだった。
オムツがボトボトになるほど大量のおしっこが出た次男の顔はスッキリしていた。
「もう痛くない」と言ってさっきまでの大泣きが嘘のよう。何が原因だったのかはわからなかったが、薬を塗ったおかげで解決したことには変わりない。最後にもう一度お礼を言わなければと思いながら、スヤスヤと寝始めた次男の寝顔を横目に私も席に沈み込む。
何はともあれ一件落着。もう何もありませんように。
二人が寝たとはいえ常に警戒態勢の私は全く眠くなかった。
そのうちトイレに起きた長男がテレビを観だしたので、その横で私も映画でも観るかと画面を操作する。しばらく穏やかな時が流れ、いつの間にか外が明るくなっていることに気付く。
アメリカの時間で午後4時頃だったかと思うが、午後の日光を朝日のように感じた。そのうちに少し早い朝食を出される。長男と二人で黙々と食べた。
残り時間が2時間を切ると、こまめに時計を確認してしまう。
次男が目を覚まして長男にちょっかいを出し始める。エネルギーをチャージした次男が本格的に暴れる前に早く到着して〜!!と願いながら、「静かに!」と何度も静止していた私の声が一番うるさかったかもしれない(笑)
最後の30分間はフライトマップを見せながら「もうちょっとでゴールだよ〜」と半分自分に言い聞かせるように次男に言う。持ち込んでいたアメでごまかしながら何とかゴールまで持ちこたえた。
◎ボストンに到着
勝った!!と万歳したい気持ちだったがまだ油断は出来ない。
入国審査で長い列に並ばなければならないと聞いていたからだ。そして、二人を連れてスーツケース4つとボストンバッグをピックアップする。それが終われば本当のゴールだ!
ここからが本当の試練かもしれないと気負っていると、扉の向こうに神の使いが!!
ファミリーサポートのスタッフだ!
「〇〇様ですね?」と名前を確認された後、先導してくれる。列に並んでも一人で子どもを見るのと二人で見るのは大違い。さらに人見知りの次男は彼女が加わるだけでおとなしく言うことを聞くように(笑)
あれよあれよと入国審査が終わり、スーツケースも彼女が大型のカートにどんどん載せていってくれる。サポートを申し込んで本当に良かった!!と感激した。
ゲートをくぐると久しぶりの夫の姿が!!
子どもたちが「お父さーん!!」と走り寄る。4カ月ぶりの親子の再会は映画のワンシーンのようだった。夫の目は潤んでいた。
ファミリーサポートのスタッフにお礼を言い家族で駐車場へ向かう。
ボストンの夜の風景を堪能しながらアパートへ。クリスマスシーズンでどの家も奇麗に飾り付けをしてライトアップしていた。夫と会えて私も安心して気を抜くことが出来た。
新しい家へ着くと子どもたちは大興奮!
散々遊んで夫と子どもたちがお風呂に入っている時、トントンとノックする音が。時計を見ると夜10時。扉を開けると、おじさんが立っていた。
超スピードの英語で話されるが、ほぼ聞き取れない(-_-;それを察したのかジェスチャーを交えてゆっくり話してくれた。どうやら10時には寝たいので静かにしてくれ、ということだった。
謝って、静かにします。と言うと、「Good night」と帰って行った。良い人なんだろうと思いながらも、私の心臓はバクバクしていた。そして、夫と子どもたちと「これからは気をつけよう」と反省したのだった。
しばらく時差ボケに悩まされたが、年末で夫も連休が取れたので買い物や遊び場へ行き、ボストンの空気に慣れていった。遊び場で、長男は同年代の男の子に名前を聞かれ名乗ることが出来た。現地の子との最初の会話だった。二人でボールの当て合いをして仲良く遊んでいた。子どもはすごい。会話がなくても遊べるんだ!と驚いた。
帰り際に「Bye!〇〇!」と言ってくれて、長男も「Bye!」と返していた。
そんなこんなで始まったアメリカ生活。
子どもたちはどのように成長していくのか、大切に記していきたい!
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