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子育て迷宮日記 子育ては迷うもの。レベルアップに向けて修行なう。

ヒラリーさん

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ヒラリーさん webデザイナー

10歳と6歳の息子を育てています。時短勤務のワーキングマザーです。全力で迷走するリアルな胸のうちをつづります。ちなみに魔女ではありません。

2017年1月30日

はじめての武器を授ける ~迷宮レベル13~

昨年末のクリスマス前に、息子が保育所でつくったプレゼントの袋を持って帰ってきました。折り紙でサンタクロースを折ったものを画用紙に貼りつけて、雪やプレゼントの絵を描いています。そこに、銀色のテープが貼ってあり、「けんと」とひらがなで書いてありました。

pic_1702_02.jpgあれ?同じクラスにけんと君がいて、間違えて制作物を持って帰ってきたのかしら...
そう考えましたが、今までけんと君という子がクラスにいるというのを聞いたことがありません。
「お友達にけんと君って子がいるの?この袋は誰の?」と、息子に尋ねました。
「けんと君なんて知らない。これはボクの!」と言います。

けんとって何???

わたしの頭の中は?マークでいっぱいです。クリスマスのプレゼントを入れる袋なので、もしかしたら、息子の欲しいものとか?と一瞬ひらめきましたが、ますますけんとの意味がわかりません。けんと、ケント...ケントデリカット!!?
なんて年齢がばれそうな想像をし、ひとり面白くなりました。

illust_1702_01.gifそこで保育所の仲の良いママにメッセージを送り、持ち帰った袋になんて書いてあるか尋ねました。すると、「ひーろーのへんしんべると」と書いてあったそうです。
やっぱりサンタさんにリクエストをするプレゼント名だったことが判明しました。

「ねえ、サンタさんに何がほしいって保育所で言ったの?」と遊んでいる息子に尋ねるとわたしのそばに寄ってきて、もぞもぞしながら「けんとねぇ...それとねぇ...え~っと...え~っと.........(中略)E4系Maxの新幹線!!」と、だいぶためてから言っていました。

それは初耳!
うちに来るサンタさんはもうすでに準備をしてしまったようで、えらいこっちゃと内心焦ったと思います。「けんとって何?」と再び尋ねると、「ヒーローの剣だよ。」と答えました。
なるほど、『剣と新幹線』のおもちゃがほしいというのがこの疑問の答えだったようです。
どうやら、保育所の先生は息子が「けんと~」と他にもうひとつ考えている途中で、「けんとね!」
と早々に答えを出したのでしょう。先生どんだけ天然なんだか(笑)

今まで電車と新幹線と建設車両にしか興味がなかったのに、そこにいよいよ戦隊ヒーローが入ってくるとは!しかし、よく考えてみると息子は戦隊ヒーローのテレビを見たことがありません。日曜日に一度見せてみると、ヒーローと戦う怪人が怖いと言い、爆発シーンも多く、音にびびっていました。そして、ヒーローが悪者を倒すためにキックやパンチをあびせているのをみて、「(ヒーローが)あんなことをしたらいかんな~。」とわたしに同意を求めるように何度もぶつぶつ繰り返していました。「そうやねぇ、パンチされたら痛いわな~。」とだけ答えました。
その後、自分から戦隊ヒーローを見たいと言いませんが、保育所ではお友達同士で、「ボクも知ってるよ~」と戦う前のポーズをしてみせたりして遊んでいるようです。
そのうち、実際にお友達同士でバトルになるかしら...と不安はよぎります。

家では1人なので、息子にだけ見える空想の剣で、自分で音をつけながら、空中の何かと戦っているのは何度か見たことはあります。

illust_1702_02.gif「何してるん?」とつっこむと、照れて現実に戻ってくるようです。現実に戻ってきた息子は、バツが悪かったのか床に転がっている孫の手を見つけて、今度はそれを剣に見たてて、キッチンにいるわたしに向って戦いを挑もうとやってきました。

「孫の手でママをたたいたら夕飯作らんで!!!」

一撃必殺に効きました。
息子は戦意喪失で、再び空中の何かに向って剣をふりまわすことにしたようです。
うちにある孫の手の先には、肩をたたくためのゴムのゴルフボールがついているので、傍にいてもしあたってしまったらとても痛そうです。

そこで夕飯を済ませた後、あたっても痛くない剣を息子と一緒に作ることにしました。
剣を作るにあたって、まずどんな剣にするか考えました。
わたしが小学生の頃一度、どんな剣が一番強いのか考えたことがあります。
日本刀は、引くことでスパッと切れます。中国の剣の刃は大きいですが、どちらかというと相手をぶった切るというイメージ。フェンシングのサーベルは、突き刺して仕留めるイメージです。アニメの勇者が背負っているような大きい剣は、単純に重そうです。そう考えると、やっぱり日本刀やな~と小学生の頃と変わらず日本刀最強イメージを固めました。
銀色に輝く日本刀!ステキ!!

早速家の中で材料になりそうなものを探しました。
用意したのは、新聞紙・アルミホイル・セロハンテープ・布テープ(紺)・段ボール・はさみです。

その材料を見て、息子のテンションは上がりました。
「ママ!僕たちで剣がつくれるの??」とわくわくしています。
「一緒に協力したら、きっといいのが作れるよ。」と言うと、できる前から大喜び。

まずは剣の長さを決めて、新聞紙をくるくると丸めました。ほどけないように息子にセロハンテープを貼ってもらいます。なかなかテープを切るのは難しそうでしたが、下に向って端からピリピリと切ることを教えました。テープも最小限でバランスよく貼っています。
くるくる丸めた新聞紙を持って、息子は剣ができた!と大喜び。早速それで遊ぼうとしましたが、「まだ早い!」と止めました。

illust_1702_03.gifもう一つ新聞紙の棒を作って、2つを1つに合わせます。日本刀の切っ先は尖っているので、若干の丸みは残しましたが、新聞紙の先を斜めに切りました。そこにアルミホイルを巻きつけます。
「これは何?」と聞くので、「アルミホイルだよ。」と言うと、「アミルホール!アミルホール!」と子どもらしい言い間違いを連呼。
的確に息子に指示をだし、もくもくと剣をつくる作業を続けていると、「ママ、ぼくたち今は剣を作るのに忙しいからお話ししたらダメなんやな?」と尋ねてきました。
しまった!いつのまにか刀鍛冶の職人になっていた...。
丸く切った段ボールのつばを剣にさして、息子の日本刀はついに完成しました。

pic_1702_01.jpg時間にして10分ほどです。息子に武器を授ける前に、ただの暴れん坊にならないようひとつ約束をしました。

「剣を抜く前にまずは相手に礼をすること。礼に始まり礼に終わる。それが武道の基本。」

息子のチャンバラはいきなり剣道に早変わり(笑)。ここで名乗ったり口上をすると武士やなぁ...と想像してひとり面白くなりました。

illust_1702_04.gif礼をしてベルトに引っ掛けた剣を抜き、無駄な振りをしないで相手との間合いをはかって一撃で仕留めるよう息子にアドバイス。切った後もちゃんと礼をするように付け加えました。

この母親からの変なアドバイスに息子は「やってみる!」と興奮して、剣をとりました。

息子のズボンにはベルトがなかったので、ズボンの中に剣を入れたのがなぜかくるっとまわってお尻の割れ目に剣を刺すようなスタイルになり、それでもちゃんと礼をしていました。illust_1702_05.gifそして、また空中の何かに向って剣を無駄に振り回していました。

「まだまだひよっこよのう...。」と、剣に夢中な息子の横でのんびり日本茶を飲むことにしました。

illust_1702_06.gif

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