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子育て迷宮日記 子育ては迷うもの。レベルアップに向けて修行なう。

ヒラリーさん

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ヒラリーさん webデザイナー

10歳と6歳の息子を育てています。時短勤務のワーキングマザーです。全力で迷走するリアルな胸のうちをつづります。ちなみに魔女ではありません。

2016年9月 9日

虫嫌いのわたしが息子と虫とりをする方法 ~迷宮レベル8~

★実はスマホが欲しかった
「パパは今日早く帰ってくる?」
そんな質問を息子は毎晩してきます。パパはどうして遅いの?何をしているの?どこにいるの?矢継ぎ早に質問攻め。

平日のパパは残業が当たり前で、子どもが寝る時間の9時までに家に帰ってくることはほとんどありません。パパは会社で一生懸命お仕事をしていて、遅くまで頑張っているということ、パパがたくさんお仕事をすると、お金がたくさんもらえて、お金があるからお店で欲しいものが買えるんだよ、と話してみました。そんな理屈がわかるのかどうか疑問でしたが、息子は「じゃあ、ボクはお仕事していないからお金がなくて、携帯と飴ちゃんを持ってないの?」という返事が返ってきました。

さすが!一瞬でそこまでわかるか~と親バカですが、理解力の速さに感心しました。
飴は息子の大好物ですが、なんで携帯電話?と思い尋ねてみました。
スマホは、音声で「新幹線の動画!」というと、新幹線の動画ばかりをピックアップしてくれて、いろんな動画を見られるからと言います。
「パパとママは持っているのに、ボクは持ってない。」

3歳ですでにスマホが欲しかったのか!?と驚きました。

illust_1609_06.gif

★流行りにのっかりポケモンGOを一緒にしてみる
世間ではスマホゲームアプリの「ポケモンGO」が流行り、わが家ももちろんポケモンを集めました。息子は今までスマホゲームをしたことがなかったので、街角に現れるポケモンを不思議がり、ポケモンにボールを投げて捕獲することができると、大喜びしました。

保育所のお迎えの後、公園に出かけ息子と一緒にスマホ片手にポケモンを集めてまわるのは、昔やったウォークラリーのようでとても有意義な時間でした。
息子にとってスマホは楽しいことがたくさんできるものであり、ママのスマホ貸して!ということも次第に増えていきました。

 

★少年よ!リアル体験をしよう
スマホでポケモンを集めてまわる楽しさは十分わかった後、スマホを持っていない子どもにこういう楽しさって他にないのかな?と考え、「あ、虫とりか!」とひらめきました。そういえば、息子と一緒に虫とりをしたことがなかったことに気が付きました。虫とりをしたことがないのに、仮想現実でポケモンとりはないわなぁ~と思い、順序を間違ったことを反省。息子にリアルの楽しさを教える使命感に燃えました。そしてそのままの勢いで、虫とり網と虫カゴを100円ショップに買いに行きました。


準備万端!と、ここまでは良かったものの、そういえばわたしって虫が嫌いだったということを思い出しました。特にセミが苦手で、死んでいると見せかけてジジジジ!っと脅すあの感じ。俗にいう“セミファイナル”が嫌で嫌で仕方ありません。マンションの廊下に力尽きたセミがいると、部屋のドアまでたどり着けないほどです。

 

★実践あるのみ。昆虫採集へ!
いよいよ週末、パパがいるときに息子の手を取って外の世界に繰り出すことにしました。こういう時に頼りになるのは男の人ですが、うちのパパはわたしより虫が嫌いだったことを思い出しました。

illust_1609_01.gifう~ん…まあ、なんとかなるか!と、近所の大きな公園に行きました。

息子は首から虫かごをかけ、手に持った虫とり網で何度も素振りをしています。イメージトレーニングでしょうか。剣道少年のようです。
公園に入ると、早速セミがミンミン大合唱でしたが、樹齢100年以上の大きな木が多いこの公園は、虫も木の上のほうにいます。蝶もいましたが、虫とり網では届かないくらい高いところをヒラヒラととんでいます。そして、動きが不規則で、早い!
3歳の息子にはとてもハードルが高いものでした。illust_1609_02.gif

まずはパパが一匹セミをとって見せる!と言って、比較的低い木のセミを探し、すぐさまゲットしました。

pic_1609_01.jpg意外と虫取りがうまかったパパの株が急上昇しました。
パパすごい!と尊敬のまなざし。間近でみるセミに興味津々!

pic_1609_02.jpgしかし、誰もこのセミを触れません…(笑)
虫かごの構造をみると、入口がスライド式だったので、ふたを全開にしてその真上に網を置いて、虫が止まっていない場所の網をつまんで振ってみることにしました。illust_1609_03.gif予想以上にこの作戦はうまくいき、セミを虫かごの中に落とすことができました。パパは順調にセミを集めて、あっという間に3匹ゲットしました。

pic_1609_03.jpg

わたしの嫌いなセミの裏側も、息子は興味津々で観察しています。体が緑のセミ、羽が茶色のセミ、鳴き方の違い、足は何本か数えてみました。欲を言えば、ガラス瓶の方が観察しやすいです。

息子はそばに生えていた猫じゃらしを持って、すぐ横にいるわたしの足をこちょこちょして、「こちょばいよ。」と笑うのを確かめてから、虫かごから足の出ているセミの足を猫じゃらしでこちょこちょしていました。
「セミさん、笑わないね~。」とちょっと残念そう。

pic_1609_04.jpgそして、虫かごの中にせっせと葉っぱをいれて、セミにご飯をあげていました。
「セミは葉っぱを食べないよ。」と言うと、何を食べるのか聞かれたので、「樹液じゃない!?」と言いましたが、「樹液って何?」と聞かれると、説明に困りました。木の汁か、木の中にあるジュースとでもいった方がいいのか…そもそも樹液は甘いのか?

★そっとぱっとする

せっかくなので、わたしもセミとりに挑戦してみました。
「えいや~!!」と勢いよく素早く網を振り下ろしたはずが、まんまと逃げられ、私に向って突撃してくるので、「ぎょえ―――――!!!」と、悲鳴をあげながら姿勢を低くして逃げました。公園にいる他の親子は、わたしの一人芝居のような行動に驚いたでしょう。illust_1609_05.gifパパ曰く、わたしは虫を襲っているから逃げられるそうです。気づかれないようそっとセミの下から網を近くまでもっていき、ぱっとふたをするだけと言います。
その教えを守り、精神統一。体からみなぎる殺気を抑え、再度セミとの距離をジリジリつめました。

illust_1609_04.gif『そっとぱっとぉ~~~!!!』というわたしから溢れる心の声をセミが聞いたのか、またもやわたしに向って突撃してきました。「ひぃやぁ!」と変な悲鳴をあげ、姿勢を低くして逃げました。

次に息子も虫とり網を持って、セミをとろうと木に近づきましたが、セミの姿を発見すると、突然後ろにジャンプしました。セミが息子の間合いに入って身の危険を感じたのでしょうか。何もせず脱兎のごとく逃げてきました。親子そろってビビり過ぎ。

降参!降参!!そもそもシティーガールには虫とりは無理だよね~と強引に収めようとしたとき、目の前の花壇に小さい蝶がとんでいました。
これならイケる!と思い、虫とり網をブンブン振ると、なぜかバッタがとれました。
自分から飛び込んできたバッタのおかげで、息子にバッタを見せることができました。大きいトノサマバッタは無理だけど、こういう小さいバッタは歓迎です。

pic_1609_05.jpg最終的に、30分でセミ4匹、蝶2匹、バッタ1匹をとりました。
もちろん、家に持って帰るのは嫌なので、虫カゴのふたをあけっぱなしにして、無事とんでいくのを待ちました。やっぱりたった一日では誰も虫に触れませんでしたが、はじめての虫とりは無事終わりました。やれやれ。

pic_1609_06.jpg…と思ったのも束の間、帰り道息子が「ボクは虫をとれなかった…」とつぶやきました。そういえば、そうやった!
自分のことで精一杯で、息子がとったかどうかは気にかけていませんでした。息子は、リアルな虫とり体験というより、リアルに大人が逃げ叫ぶのを目の当たりにしただけでした。

★突如舞い込むリベンジの機会
家に帰って洗濯物を取り込もうとベランダに出ると、セミがいました。
セミファイナルです!!
最後の死に場所にうちのベランダを選んでくれたのか、死んでいるとみせかけて動くアレなのかわかりませんが、わたしは素早く部屋の中にスライディング。
それを見た息子が興味津々でベランダに出てセミを見ました。
「セミは動く?」と尋ねてきたので、「それはわからない。でもセミがいる限りベランダに出られない。」と答えると、「ボクが捕まえる!!」と勢いよくベランダに出ていき、セミを足で突き、動かないことを確認すると息子は素手でセミをつかんでいました。

驚くことに生きてるセミはダメでも死んでるセミは触れるようになっていました。3歳にして息子は、軽く母を飛び越えていくんだなぁ~と成長を実感しました。

この機会を逃すまいと、図鑑をひろげ、セミの種類を確認しました。羽が茶色いアブラゼミです。「ジージー鳴くやつだよ。」と言うと、「なんでセミは泣くの?痛いの?」となんともまぁかわいらしいことを言っていました。そういう感覚は、ママ忘れていたよ。。。

自分自身虫とりをしたことがなく、親として何も教えられなかったけど、とりあえず息子を虫とりに誘い続けることを心に誓う母でした。

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